ぜんぶきみのもの

にのみやさんに納税したい

32歳とすこしのきみへ

8月30日は松本潤さんのお誕生日でしたね。

日付を越えて数時間。32という数字と年月はもう馴染みましたか。

もう32歳。まだ32歳。たった二文字を頭に付けるだけでこんなにも意味合いが変わってしまう。数字があらわす年齢というのはすごくシンプルなのにすごく重みがある。

今のわたしの、生活や感動や喜びや愛しさ、そして何より「好き」を教えてくれたのは間違いなくあなたです。18歳の潤くんがくれた「好き」はわたしにとってものすごく大きい。「あ、この人が好きだ」と思わせてくれた瞬間の世界の鮮やかさが瞼の裏にずっと焼き付いたまま14年経った。いろんなことがあったけど、消えないで良かった。

昨年のソロ曲「STAY GOLD」が楽曲や演出や歌詞やパフォーマンスすべて含めてものすごく好きだ。DVDを観る度にいとおしいとか綺麗だとかうれしいとか眩しいとか、そういう気持ちがばーっと押し寄せて膨らんでいつもいつも懲りずに胸が詰まって、奥歯を噛んでやり過ごす。泣きそうになる。潤くんがとてもきれいに笑っているからだ。ただ笑っているんじゃなくて、なんというか、色んなものを手にしたり失ったりを経て、『今』『ここで』歌って踊っているよろこびや達成感みたいなものをその笑顔の中に勝手に感じて重ねあわせて振り返ってぐっと来ている。作詞の中に本人が名前を連ねている点もすごく大きい。

21歳の時コンサートツアーで披露した「La familia」が自然に思い出された。一ファン、しかも他担の人間がこんなこと言うのもおこがましいのかもしれないけど、あの曲の歌詞を綴り歌った21歳の潤くんの中には沢山の迷いだったり不安だったり葛藤だったりが存在していたのだと思う。『五年後はどうなってる?毎日を楽しんでる?』『今よりも自分も他人も信じられるようになってる?』ちょうど五周年を迎えた年のツアーで歌われたこの歌詞はその当時も今もすごくずっしり来た。ファンでさえ五年後どういう状況に居るか想像が出来なかった。なんでも平均的に器用にほどほどの力で出来ればもっと楽だったのかもしれないけれど、それが不得意で嫌いな人だ。がたがたの道を確かめながら絶対に絶対に転ばないように、それでも前を睨んで出来るだけ早足で歩いているような。そんな感じ。その終盤、ステージに背を向け客席側を向いて歌っていた潤くんがステージを振り返ると、4人が彼を見つめている。その様子を見て綻ぶようにやっと潤くんは笑うのだ。その表情にすごく安心したのを覚えている。

そこから10年。『不安もスパイスで』『ついて来いよ 共に行こう』そう歌う潤くんは5万5千人の前で輝いていた。あの頃の色々がきれいさっぱり消えた訳ではないのかもしれない。けれど、30歳を越えた潤くんは10年前よりも余裕を備えて誇りと自信に溢れていた。昔からあった優しさはそのままに、彼は強さを手に入れたのだと思った。今ならきっとがたがたの道で転んでも、そんな自分に少し笑って立ち上がって、でもまたゆっくりと着実に歩いていくような気がする。ただ丸くなっただけじゃない。その瞬間に合わせて少し角張ってみたり思いっきり丸くなってみたり出来る柔軟さを手に入れている。恥ずかしげもなくこんなこと言うけど不器用さも失敗もぜんぶ他の物に還元している姿を見ると、ああもう無敵じゃんって思う。華奢だった彼の背中は今とても広くて頼もしい。この曲では客席が手にしていたファンライトが彼のメンバーカラーである紫一色ではなく、紫×黄色、紫×青、紫×赤、紫×緑、と二色に染まる瞬間がある。五色のメンバーカラーを浴びながら、彼はあの頃よりもっともっと笑っていた。

曲がったことが嫌いで不器用で自分の信念が強すぎるくらいにある、それが理由で上手くいかなかったり自分や周りに苛々することもあったかもしれないけれど、そのまっすぐさも優しさもちゃんと伝わってるよ。完璧じゃないからこそこんなに愛おしい。ばかがつくくらいに真面目で照れ屋でアツくてお酒飲むと長くて動物が好きなのに嫌われて悩んだり全部にがむしゃらに進む優しくて強くてしなやかな、そんな潤くんだから応援したいと思ってる。応援させてね。お誕生日おめでとう。32歳とすこしのきみへ。