ぜんぶきみのもの

にのみやさんに納税したい

この気持ちの名前はなんだ

担当に新しいお仕事が決まった瞬間ほど高揚する瞬間はない、と思う。
これはもちろん担当のみならず応援しているグループの場合でもそうだし、例えばツアーが決まった瞬間もそう。他に並び立つものがちょっと思い浮かばないくらいにぐっと気持ちが引き上げられる。

わたしは少し前までお笑いの畑の中に髪の毛一本から爪先までどっぷりと埋まっていた。物心ついたときから体内をジャニオタの血しか巡っていなかったわたしにとってそれはそれは重大な出来事。そして何故今またジャニオタに力を入れているのか。これはまたおいおいゆっくりと触れたい。
お笑いの世界に身を置いていてもこういった新しいお仕事が決まったり「重大発表」的なものが降りかかってきたりする。例えば単独ライブや新番組のレギュラー、冠番組の決定など、ジャニーズに限らずともこういったものは存在し、それにファンは一喜一憂する。もちろんわたし自身も同様であった。
だけれどもやっぱり今こうしてジャニオタの看板を大きく掲げて生活しているとああやっぱりここまでの喜びや期待、動揺、気持ちの浮き沈みは担当にしか・ジャニオタにしかない感情の動きだということを痛感している。これがあるからやめられない、楽しい。他人の動きでこんなに大きく感情が振れる生き物はジャニオタだけなんじゃないか?みたいな錯覚さえ覚える。

12月公開映画「母と暮せば」が先頃クランクアップした。舞台となっている長崎の教会で、グレーの学生服を着た二宮さんが吉永小百合さんと共に並んだ写真が昨日スポーツ紙各紙に掲載された。
どきどきした。正確にはこの映画とキャストが発表された去年の12/17からずっとわたしはどきどきが続いている。
この日は、相葉くんの主演映画「MIRACLE〜デビクロくんの恋と魔法〜」の舞台挨拶中継に行っていた。始まるまでの待機時間突然に流れてきた情報に胸と目頭が一気にかあっと熱くなって、ベンチに座ったまま開演ぎりぎりまでぼーっとしてしまったのを覚えている。(壇蜜さんと対談するあいばくんは大層かわいかった。)
ぼーっとしながら、何かお仕事が決まるということはこんなにじんわりと体の中に入り込むような嬉しさを伴う出来事だったのかと改めて身を持って感じていた。「うれしい」が五感からじわじわ侵食していって、血液に溶けて、それが体中をゆっくりと駆け巡るみたいな感覚があった。
山田洋次監督が「大事な作品に」と言っている作品に二宮さんが出演する。うれしい。また新しい二宮さんを観ることが出来る。うれしい。お芝居が見れる。うれしい。うれしい。

ばかみたいなんだけど、夜寝る前に少しだけ考えてしまうことがある。
「明日朝起きたら、何か新しいものが決まっていたらどうしよう?」
現状のものに不満がある訳でも新しいものに飛びつきたい気持ちがある訳でもない。しかしあの高揚感やどきどき、一報を聞いた瞬間に視界がぱっと明るく色付くようなあの感覚はたぶん他のものでは代用出来ない、味わえないものになってしまっていることに、何より体がとっくに気付いている。ほんの少し見える景色が違う朝はこれから先もきっと何度もやってきて、新鮮にわくわくどきどきさせてくれるのだ。